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「そーいえばさ、梨沙ちゃんとどうなったのよ。西田ー」
工藤はやたらにやけながら西田の肩に腕をまわす
。
西田と工藤は大学からバス停までの道を歩いていた
。西田は少し頬を緩ませる。
「連絡とってる。今度会う約束もした」
あれから、梨沙とは毎日連絡を取り合う仲になっていた。
昨日梨沙からの
蒼太くんに会いたい。
この一言に西田は浮かれていた。
「やったじゃん!西田!やっと念願の彼女だな」
「おう」
「で、いつ会うの?」
「今日」
「だから、いつもチェックシャツにジーパンしか着ないお前がオシャレしてんのか」
言うまでもなくチェックシャツとジーパンというダサいファッション西田がモテない理由の一つであった。高校のときから変わっていない。
「いつもそれだからな。」
「どこで会うつもり?」
「俺の実家の店に梨沙が行きたいらしくてさ、あ、コンビニよっていい?」
「いいけど。え、お前の実家ってまさか。」
「うん。」
西田の実家は老舗の高級レストランであった。
一人息子であるが西田は社会勉強のために大学に通い、一人暮らしをしていた。
西田はコンビニで真っ先にATMへ向かう。
「お前、実家の店なのに自腹?」
「違う。梨沙が親に内緒で車買うらしくて100万円足りないらしいんだ」
工藤の顔が一瞬にして曇る。
「西田。梨沙ちゃんと会うのやめろ」
「なんでだよ!せっかくのチャンスなのに」
「お前、わかんないのかよ!どう考えても坊ちゃんのお前に貢がせようとしてる」
西田は工藤が何を言っているのかわからなかった。
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