第6章

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ナオキはしばらくメンディーをじっと見つめていたが、不意に口許を緩めた。 『そうか…』 ふっと笑うナオキをよそにメンディーは他の四人から質問攻めにされていた。 『いつ会ったの?』 『どんな感じ?』 『えーーー!』 セカイだけが信じられないと声を上げる中、アランが我に返った。 『ちょっと、青柳さんのことで騒いでる場合じゃないでしょ』 『それもそうか』 メンディーは苦笑いを浮かべナオキに視線を移す。ナオキはその視線を受け止めた。 『結晶には亀裂が入っているから、その場所にこのナックルで力を加えれば…』 『お前は力に自信があるのだな?』 『はい』 ナオキの問いにメンディーは大きく頷いた。自信に満ちた彼の言葉にナオキは立ち上る。 『キングに進言しよう』 『お願いします』 メンディーはナオキに向かって頭を下げた。その後に続いて他の四人も深く頭を下げる。 『タカヒロ様を目覚めさせるのは勇者たちの役目。キングがそう申された。わたしはその言葉とお前たちを信じる』 ナオキはそう言うと部屋を後にした。
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