第6章

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それを見送ったメンディーはよろよろと崩れ落ちた。 『メンディー、どうしたの?』 アランが慌てて声をかけるとメンディーは天を仰いでいた。 『今になって緊張が…』 『おそっ!』 セカイが声を上げるがメンディーはソファーに両手をついていた。それを見たタイキがトーンを落とした声で呟く。 『そりゃ緊張しますよね。だってあの結晶に手を出すのってかなり勇気いることだし…』 『あ、そうか…』 『あの結晶がタカヒロさんの魔力そのものだとすれば、反対する人もいるかもしれないからね』 次々と出てくる不安な言葉。だがタカノリは明るい声で言った。 『でもナオキさんは俺たちを信じるって言ってくれたじゃん』 『うん』 皆ナオキの出て行った扉に目を向けると、誰が言うでもなく頭を下げていた。
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