第6章

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翌日のことだった。ナオキが朝食を運んできた時、皆に向かって言った。 『昨日キングに進言したところ、お前たちから話を聞きたいということになった。あとで時間を作ってもらうぞ』 そう言われ彼らはまたキングの前に膝を付いていた。前回と違い、今王の間にいるのはアツシと四王のみだった。 『顔を上げてくれ』 キングの優しい声が響き、彼らは顔を上げた。 『礼が遅れたが、タカヒロに魔力を取り戻してくれたこと感謝している』 キングの言葉に五人はまた頭を下げた。 『で、あの結晶を砕くための策があるとか?』 キングの問いにメンディーが顔を上げた。彼が持っていた包みを差し出すと、アツシが歩み寄りそれを受け取る。 アツシはキングの前に行くと、手の中の布を捲ってみせた。 深紅の布の中にある黒く光る金属。その美しさはまるで宝石のような妖しい光を放っていた。
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