第6章

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ピキッと音がしてそこにいるすべての者が目を大きく見開く。その刹那、結晶が砕けた。だが砕けたはずの結晶の破片は宙に浮き、そのまま光の粒へと姿を変える。 次々に結晶の欠片は光の粒となり、そして集まって大きな光の塊となった。それは眩しい輝きを放つとタカヒロの体へと吸い込まれていった。 その瞬間、タカヒロの体が眩く光る。皆がその輝きに目を閉じると、からんと音が響いた。皆が目を開けると結晶は姿を消し、太陽の剣が床に落ちていた。はぁはぁと肩で息をするメンディーはドスンと尻もちをついた。 『タ、タカヒロ様…』 その声に顔を上げたメンディーは見た。体を起こして微笑むタカヒロの姿を… 『タカヒロ!』 アツシがタカヒロに駆け寄る。そして四王たちも… 周りを囲まれきょとんとしているタカヒロはにっこりと微笑んだ。 『ただいま戻りました』 『タカヒロ』 アツシはその身体を引き寄せ、ぎゅっと抱きしめる。その瞳に涙を滲ませながら…
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