17人が本棚に入れています
本棚に追加
/252ページ
『ご心配をおかけしました』
タカヒロが申し訳なさそうな声で呟くと
『全くだ。お前が眠っていたおかげで王宮がどれだけ静かだったか』
『俺は心配などしておらなかったぞ』
『それは嘘だな』
『心配していない者が毎日顔を見に行くか?』
『それはだな…』
四王が言い合いをしていると静かな声が響く。
『タカヒロ』
『キング…』
『役目ご苦労であった。お前が呼び寄せた勇者たちがこの世界に太陽を取り戻してくれた』
タカヒロは寝台から降りるとキングの前に跪く。そしてその顔を見上げ眩しい程の笑顔を見せた。
『王族としての役目を果たすことができ安堵しております』
『ケイジにも安堵させてやるがよい』
キングはそう言うと涙を堪え俯くケイジに視線を向ける。タカヒロは立ち上るとケイジに向かって歩いて行った。
『ケイジ、約束通りこの世界を守ってくれたな』
『タカヒロ様…』
ケイジはその場に膝をついて涙を零す。タカヒロはそんな彼を優しく抱き締めた。ケイジが涙を拭うとタカヒロは他の王たちに目を向けた。
最初のコメントを投稿しよう!