第6章

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『皆、心配をかけたな。だが私は戻った。約束通り、太陽の戻ったこの世界で再会できて嬉しく思う』 その言葉に王たちは涙を浮かべた。タカヒロは勇者たちに目を向けた。そして彼らに向かって歩みを進める。 『異世界の勇者たちに感謝を…』 タカヒロはそう言うとしゃがみ込んでいるメンディーに手を差し伸べた。メンディーがその手を掴むとタカヒロは力を込めて彼を立たせた。 五人が並ぶとタカヒロは一人一人の顔を見つめていく。 『セカイ、君があのネックレスを持っていてくれて良かった。 タイキ、君はわたしを目覚めさせる手立てを試してくれていたね。 アラン、君のおかげでわたしは魔力を取り戻せた。 タカノリ、君の勇気がこの世界に必要な一族の血を守った。 メンディー、君がいなければわたしは目覚めることはなかっただろう…』 そこまで言うとタカヒロはある人物に目を向けた。そして彼の前に立つ。 『ショウ、君の作る武器は見事な物ばかりだ。そのなかでもナックルは最高傑作と言えるだろう』 ショウは崩れるように膝をつくと 『もったいないお言葉にございます』 震える声でそう答えた。
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