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『その最高傑作に向かって、こんな物使えるかと言った者もいるようだがな』
『え?あ、いや…』
タカヒロの言葉にショーキチが戸惑ったような言葉を漏らす。まさか王たちが揃う場でこんな話をされるとは思っていなかった。それ以上にあの話をタカヒロが知っているはずがないのだ。
『どうした、ショーキチ。変な顔をして』
タカヒロはショーキチに歩み寄り意地悪く笑う。だがその顔はハッとするほどに美しかった。
『あの、笑顔…』
『うん。意地悪してる時の笑顔だ』
タイキとセカイがぼそりと呟いた。
まだ膝をついたままのショウにタカヒロは近づいて行く。
『ショウ、お前は最高の武器職人。自信を持って、その顔をわたしに見せよ』
ショウが掛けられた言葉はまさに最高の誉とも言える。ショウは真直ぐにタカヒロを見つめた。
『お前は戦う者に合わせた武器を作ることができる。それは素晴らしきこと。いずれわたしに合う剣を作ってくれ』
タカヒロから目を逸らすことなく大きく頷いたショウは強い言葉でそれに答えた。
『御意』
と。
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