第6章

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タカヒロはショウに背を向けると太陽の剣に向かって歩いて行った。そしてそれを拾い上げると両手でしっかりと持ち、キングに顔を向けた。 『長い間お借りしました。この剣があればダークサイダーの好きにはさせることもなかったかもしれません』 剣を渡したタカヒロの口許が後悔に歪む。だがキングは剣を受け取るとタカヒロに笑顔で答えた。 『この剣を使わずして異世界の扉が開いたか?』 『いえ…』 『ならばお前の考えは間違ってなどいない。それに、お前はこうして戻ってきた。それでいいではないか』 『キング…』 タカヒロは深く頭を下げた。キングはタカヒロの肩をぽんと叩くとマントを翻し皆の前に立った。そして、その手にしている太陽の剣を天に掲げる。 その刹那、眩い輝きが太陽の剣から発せられた。その光は温かく、皆を包んでいくようだった。 『これが太陽の剣…』 武器職人であるショウはその剣の美しい姿に感嘆の声を漏らしていた。
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