第7章

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解散を告げられ王の間を出た所でショウは改めて五人に頭を下げた。 『勇者の皆様方、改めましてわたくしショウと申します。皆様方のお話はショーキチから聞いておりました』 『本当に青柳さんだ…』 ぼそりとタイキが呟いた。ショウは顔を上げると優しい微笑みを浮かべる。 『おい、ショウ!』 そこに一際大きな声が響いた。と同時にショウの顔が曇った。 『なんだ、ショーキチ。勇者様方に失礼であろうが』 『うるさい!お前、タカヒロ様にあの話をするとはどういうことだ!』 勢いよく言葉を並べるショーキチにショウは大きなため息をつく。そして向けられた視線は侮蔑を含んだものだった。 『わたしはただの武器職人。タカヒロ様にお目通りが叶う立場ではない。そのわたしがどうやって話をするというのだ』 一瞬言葉に詰まったショーキチは我に返ったようにメンディーに視線を移す。 『じゃ、メンディーお前が…』 『タカヒロ様は我らの前で目を覚まされたのだぞ。話をお聞かせする暇などなかったではないか』 『…』 ショウに言いこめられ、ショーキチは言葉に詰まる。
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