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『じゃ、なんであの話をタカヒロ様がご存知なんだ!』
『あの…』
声を荒げるショーキチにアランが声を掛けた。
『多分ですけど…タカヒロさんは見ていたんだと思います。体は眠っていたけど、魔力の波動を通して…ずっとこの世界のことを…』
『でなきゃ俺たちが何をしたとか、分からないはずですから…』
確かにタカヒロは彼らのしたことを知っている口ぶりだった。ショーキチは少し俯くと
『すまぬ』
と、小さな声で言った。
『お前にとってタカヒロ様は恩人。その方には知られたくない話だろうな。タカヒロ様が最高傑作と申された武器を使えぬと言ったなどとは…』
真面目な口調ではあるのだがショウの顔は楽しげだった。逆にショーキチは肩を落とし落ち込んでいる様子。五人がどうしたものかと思っていると
『タイキ、セカイ』
ネスミスとケンチがやってきた。
『なんだ、ショーキチ』
『お前、暗いぞ』
『はぁ…』
大きくため息をつくショーキチ。そんな彼の様子にふっと笑ったショウは五人に向かって頭を下げた。
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