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そうだ、さっきまで一緒にいたアツシとは髪型が違う。それに彼のトレードマークであるサングラスをしていない。
メンディーは自分に向けられているその眼差しの鋭さに驚いていた。その瞳からは明らかな敵意を感じたからだ。
『何者だ?』
アツシは威厳のある声で問いかけた。しかしその声は冷たい。
『アツシさん、僕です』
メンディーが答えるとアツシは怪訝そうに眉をひそめた。
『何故、わたしの名を知っている?』
『え?だって…』
メンディーが一歩前に出た瞬間、アツシは素早い身のこなしで距離を取り、壁に掛けてあった剣を取った。
『アツシさん、僕ですよ。そんな物騒な物、しまってください』
メンディーは慌てて両手を体の前で振る。しかしアツシは構えた剣を下ろしはしなかった。
『この世界に瞳が漆黒の者などおらぬ。闇の魔物としか思えぬ』
『瞳が漆黒?あ、これか!』
メンディーは思い出したようにサングラスを外した。それを見たアツシが驚きの声を上げた。
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