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『まさか』
『どうしたんですか?』
アツシはバルコニーに駆け寄ると眼下に広がる世界を見渡した。アツシの後に続いてバルコニーに出たメンディーは自分の見ている景色に呆然とする。
眼下には見渡す限りの広大な自然が広がり、空との境界線の山並から輝く太陽が昇って行く。
『ここはどこなんだ…』
ぽつりと言葉を漏らしたメンディーにアツシが視線を送った。
『お前は異世界の者か?だから太陽が…』
『え?』
今の状況を理解できていないメンディーにアツシの言葉が理解できるはずがない。ただ茫然としているメンディーの手首を掴んだアツシはつかつかと歩みを進める。
『あ、あの?』
『黙ってついて来い』
『はい!』
叱責のような言葉にメンディーはそう答えることしかできなかった。
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