1章 はじまり

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からかわれているんだろうか、でも、もしそれが本当なら…私は 「やり直したいです」 私の返答を聞くと蒼さんはニッコリ笑い 「少しお待ちください」 と言った しばらくするとひとつのコーヒーを淹れ、私に渡した 「えっと…普通のコーヒーなんですね」 過去に戻れるコーヒーというぐらいだからすごいものを想像していたが、特に変哲のない普通のコーヒーだった 「味も普通のコーヒーと変わらないので心配しなくてもいいですよ」 なるほど、そうなのか 「飲むときにいつに戻りたいか頭の中で想像してくださいね」 「わ、わかりました」 恐る恐る私はカップに口をつけた 戻るなら…そうだ高校の頃付き合った初めての彼! あの男がそもそもの私の男運のなさの元凶! その頃に、高校一年生の夏頃に、戻りたい!! そう思いながら私はコーヒーを飲み干した 「あ…れ…」 コーヒーを飲み干すと瞬時に尋常じゃないほどの睡魔に襲われた ゆっくりと無くなっていく意識の中で蒼さんが 「戻りたいと思えば元に戻ることができますので。早紀さん、頑張ってくださいね」 と言いながら優しく微笑んでいた
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