企画立案

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「なるほどー、そういうお年寄りを集めてお墓参りのバスツアーですか!」 「いや、そうなんだけど、それだけじゃなくてね、そういうお年寄りが集まってる場所があんだ」 「えー、そんなところが?」 「そうよ。あんのよ、そんなところが」 「どこだよ、それ」 「浩人、おまえは口を挟むな」 「どこなんですか?」  里佳は話に食いついていた。 「特別養護老人ホームだよ」 「老人ホーム?」 「そう、老人ホーム。特別養護老人ホームのジジババがね、先にお隠れになった配偶者の墓参りに行きたいって言うんだよ」 「そうなんですか?」 「そうなんだよ。でね、自分ひとりじゃ行けないっていうか行くのが大変なんだ。家族に連れて行ってもらうったって、あれだよ、家族もいい顔しねえんだ」 「なんか、お気の毒ですね」 「そうなんだよ。お気の毒。でもな、考えてもみなよ、ボケちゃった年寄りの身の回りの世話するのだって大変なのに、車や電車で墓地まで連れてくのなんてなあ、里佳ちゃんも分かるだろ、大変なの」 「想像するだけですけど、確かに大変そうですね」 「だろ? でもな、だからこそそこにチャンスがあんじゃないかってな」 「チャンスって?」 「里佳ちゃんの仕事に決まってッだろうが」 「私の、仕事?」  里佳は首を傾げた。 「どういうことだよ、なに、ジジババ集めてバスツアーってこと?」  すっかりクエスチョンマークで一杯になってしまった里佳に代わって浩人が聞いた。 「要はそういうこった。ただな、それだけだと大変なだけだ。だから、これだよこれ」  三国は墓苑見学ツアーのチラシを持ち上げた。 「だって、それは無料だろうが」 「おまえはバカか。こりゃ墓石販売会社が墓売ろうってツアーだから無料なんだよ」 「どういうことだよ、わかんねえよ」
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