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ラマたちがラマの叔母の家があったはずの空き地に着くと、温度差が浮き彫りになる。
自らの叔母の安否を気にするラマであったが、家は跡形もなく、少ない灰となった骨組みが残っているだけだった。
この家が燃えたことは確かであった。そして寒さゆえ燃えた灰でさえも暖をとるため持ち去られたのだろう。
人の焼死体はなかった。なのでアヴァと田平はラマの叔母に関して余り心配をしなかったのだが、それがラマの気に障ったらしい。
泣きじゃくりながら、ラマが突然キレた。
「アヴァも田平さんもひどいじゃないですか。なんで叔母さんを探してくれないんですか?」
突然のラマの感情の爆発に驚きを隠せない田平。
対するアヴァはラマの心中を遅ればせながら察し、なだめようとしたのだが、ラマは文字通り聞く耳を持たず、地面に崩れ落ちてしまった。
どうしたものか、とアヴァと田平は顔を合わせた。
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