ロリとシロ

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ある年の夏、空が高く白い入道雲がもくもくと、盛り上がっているのが見えました。 広大なひまわり畑を抜けてゆくと青く広い海が視界に広がっています。 白い砂浜の中に、ポツンと黄色い浮き輪が落ちていました。誰かの忘れものだろう。 海の水面が、太陽の光に乱反射してとてもきれいにキラキラ輝いていました。その光が浮き輪に模様をつけていました。 妖精が踊っているようにも見えました。そこに、一匹の白い犬がやってきて、浮き輪の中に入り、そこで眠ってしまいました。 すやすやと眠る犬の顔を覗き込むものがいました。それは、風の妖精だった。 風の精は、じっと犬を見つめていました。そよ風を吹かせ、犬の毛を揺らした。犬はますます、気持ちよくなり眠りました。 風の精は、犬と遊びたがっていました。その思いが通じたのか、犬が、鼻をヒクつかせ目を覚ましました。 犬の目の前に、かわいい風の妖精の姿が、有りました。犬は驚かずに、風の妖精に話しかけました。
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