ロリとシロ

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「きみ、誰だい。なんて名前。」犬の質問に、風の妖精は、フフフと笑いながら、軽やかに答えます。 「私は、風の妖精よ。名前は、ロリっていうのよ。あなたには見えるのね、私の姿が。」 「うん僕には見えるみたいだね。僕の名前は、シロって言うんだよ」シロが答えます。 「ねえ、一緒に遊びましょう」ロリが、にこにこしながら言いました。 「うん、いいよ遊ぼう」とシロは元気よく答えます。 ロリとシロは、キラキラ輝く海辺を走り出しました。楽しそうに、波打ち際をパシャパシャと水音を立てながら、走っていきました。 ロリにとっては自分の存在に気付いてくれて、そばにいてくれるだけでうれしいのでした。 シロは夕日が落ちてくるまで、ロリと遊んでいました。しかし、日が落ちてくると、だんだんと淋しくなりました。 飼い主の、あーちゃんが恋しくなりました。シロの淋しそうな、顔を見て、ロリが声を掛けました。 「シロ、どうしたの」シロは、ロリの顔を見て言いました。 「あのね、あーちゃんが待っているから、帰らないといけないんだ」 残念そうなロリは、「え~もっと遊ぼうよ」と言いましたが、 シロは、悲しそうな顔になって首を横に振りました。そして、「あーちゃんが、心配するから、帰らなくっちゃいけないんだ」 ロリはシュンとなりました。シロと離れたくないと思っていました。
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