帝国での暮らし

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せめてクリスマスは家で過ごそう。負け犬がのこのこと街に繰り出すもんじゃない。 そして辿り着いた高層マンション。ここが俺の愛しのマイホーム。 けどそれを華麗にスルーして、俺が向かったのはとあるラーメン屋。 「いらっしゃいませー。お好きな席にお座り下さい」 バイトの高校生の女の子に出迎えられて俺は適当なテーブル席へと座る。1人のくせにテーブル席に座るのは非常識かもしれないが、どうせガラ空きの店だ、文句は言われないはず。 さて、腹ごしらえといこう。 ちなみにここの店には俺はよく来る。味的にはリピートする程美味しい訳でもないんだが、安くて早くて何より家から近い。所謂チェーン店ってやつ。 また来たよあいつ……なんて思われてそうだな。 「すいません」 「はい。ご注文はお決まりですか?」 「ラーメンにネギとチャーシューのトッピングで」 もともとそんなに食う方じゃないし、600ギルのラーメンと50ギルのトッピングで十分だ。 計700ギルの夜飯。ゲーセンで4万ギルの散財をした男の食う物とは思えない値段だ。 「ねぇねぇ、あの人カッコよくない?」 「あの赤髪の人~?」 ふと斜め前のテーブル席に陣取る女子高生2人の視線と言葉を受けた俺は、スマホをいじりながら前髪の隙間から彼女達の方を見る。 今日は金曜日。学校も明日は休みという事になる。だからこんな時間になるまで遊んでるんだろう。 かく言う俺は長期の休みを貰ってる為今月は丸々休み。余程の事態が無い限り軍服に手を通す事はない。
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