第1章

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「いらっしゃいませ」 朝10時。開店。 私はアルバイトとはいえ割と長く働いている方なので、珈琲を淹れる作業までやらせてもらえる様になった。 奈子は、アルバイトではない。正式な店員だ。 「バリスタ」という珈琲に関する資格も取得しているらしい。 店長と新作メニューの相談もよくしていて、何より奈子の作るパンケーキは絶品だ。有名なパンケーキのお店と比べても、かなりの腕だと素人目線でもわかる。 今日のシフトは店長、奈子、佐久間さん(今年で50歳のおじさんだが昔はパリの有名スイーツ店で働いていた)、そしてアルバイト私を含めた3人が入れ替わっていく。 私のシフトはいつも、午後4時周辺に片付けをして終了となる。 その後は、家に帰り、仮眠を取ってメイクをし、夜の街へと出掛ける。 これが私の日常で、私自身充実さえ感じている。 佐「あ、沙耶ちゃんちょっとこっち来て」 沙「佐久間さん、何ですか?終わって着替えちゃてますが大丈夫ですか…??」 佐「ごめんね時間取らせちゃって、いや、これ新作なのよ、一口味見してみない?」 佐久間さんのスイーツに外れはない。私は喜んで味見を引き受けた。 沙「これは…プリンの上が焦げてるみたいなやつ…美味しすぎます…!!!」 佐「あ、これクレーム・ド・ブリュレ。美味しいってほんとー?お世辞とか言ってないといいけど(笑)」 沙「本当に、口の中でとろけてキャラメルが香ばしくて最高です!」 佐「あれ、舌が肥えてきたかな沙耶ちゃん笑笑」 奈「あー、沙耶帰ってなかったの、てか佐久間さんのスイーツ食べてるしー!ずるいあたしも食べるー!」 店「奈子ちゃんは後でね………先仕事して?」 奈「あー、もう!沙耶も店長も!笑沙耶は帰るんだよね???また明日ね♪」 沙「ありがとうございました。お先に失礼します。」 「またねー!お疲れ様ー!」 こうして私の昼は終わり夜が近づいていた。
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