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太陽系第三惑星、アース、日本州、東京都──。
ブロンドのポニーテールをなびかせながら、アキラは朝の支度に大忙しだった。
今日から重要な試験があるため、夕べは最後のあがきとばかりに母親から夜食の差し入れを受けながら授業の内容を総復習していたのだ。
鏡の前に立つなり高速でファンデーションをはたくと、オレンジ色のチークを乗せていく。
忙しくてもメイクはバッチリきめる主義。
しかし腕の時計に目をとめるとギョッとした。
朝の時間というのはどうしてこうも早く過ぎてしまうのだろう?
仕方ない、今日はマスカラはあきらめよう。
制服のリボンを胸元に結びながらガレージへと走る。
その進路の先では彼女の母親が、朝ごはんを手にして待ち構えていた。
「ほーらアキラ、早くしなさい! パンよ、パン」
マーマレードジャムがたっぷり塗られたトーストが見事なバトンワークで手渡される。
「ありがとうママ、遅刻しちゃう、行ってきまーす!」
エアバイクにまたがると、地上15階に位置する自宅からあっという間に空へと飛び立ち、アキラは今日も元気に登校していった。
「やれやれ、朝はいっつもドタバタなんだから」
母親は眉をへの字にして、あっという間に空に消えて行く娘を見送った。
しかし、その口元は温かく微笑んでいる。
「がんばってね、アキラ。お父さんみたいに、立派なアースSPになるんだもんね!」
そう言うと、アキラの父親におはようのキスをするため、鼻歌まじりにガレージの奥へと消えていった。
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