290人が本棚に入れています
本棚に追加
ジェイドは自分よりも長身の蒼い瞳の男に睨まれると、顔を伏せてしまった。
ほどなくしてタキヤがミントの効いたレモングラスティーを運んで来てくれた。
ジェイドはすぐに一口飲んだが、その慣れない味に率直な感想をのたまう。
「なんだこれ、マズッ……!」
「ちょっと、いい加減にしなさいよ?」
アキラは眉根を寄せた。
まるでデキの悪い弟でも見ている気分だ。
警察学校の成績データを眺めていた大佐が、おもむろに口を開いた。
「やれやれ、ジェイド君か。君の成績はパッとしないな。授業中も居眠りばかりしていたようだし、素行は悪く問題大ありだ」
これに対して本人はぐうの音も出ないようだった。
が、これにはアキラが黙っていられなかった。
「ソウゲツ大佐、お言葉ですが……!」
「しかし見上げた根性だ。このアース警察の中枢まで紹介状を持たずにやってきたのは君が初めてだよ。武道の成績は一等か。素晴らしい!」
「え......?」
その言葉にジェイドは、ハッと顔を上げた。
翡翠色の瞳を丸くして大佐を見つめる。
最初のコメントを投稿しよう!