憧れのアースSP!はじめての任務へ出発

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・・・・・  卒業式が終われば少しだけ休みをとって、いよいよ二番隊として火星の任務につく。  アキラはアース警察の中枢である、ロメオバンクス州に生活の拠点を移すことを決めていた。  当分、家族とは離れて暮らすことになるのだ。  実家を出る最後の夜。  一人立ちの寂しさもあってか、弱気な気分に押しつぶされたアキラは、柄にもなく母親の胸で泣きだしてしまった。 「アキラ、よしよし……」  母親は両手で優しく抱きしめてくれた。 「あなたは私たちの誇りよ。寂しいけど、元気でがんばりなさい。泣きたくなったら、いつでも戻ってきていいんだからね」 「ありがとうママ。何だか不安になるの。このまま行かなくていいなら、行きたくないくらい......」 「らしくないわね。いつもの元気はどうしたの?」 「アキラ」  そこへかけられた普段は寡黙な父の声に、アキラはハッと顔を上げた。  彼は先程までリビングのソファから静かに様子を窺っていたが、いつしか母親とともにアキラに寄り添っていたのだ。 「いきなりの大役で臆するのはわかる。だがお前は強い娘だ。パパはずっとお前の努力を見てきた」  アキラの父親は退役した元アースSPである。  宇宙の平和のために働くヒーローだった彼の姿を、アキラは昨日のことのように覚えていた。  そして今では一番の心の支えとなってくれる、自分だけのヒーローなのだ。
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