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「お前の努力が実を結ぶのはこれからだ。大丈夫。自信をもって行ってきなさい」
アキラは父の皺の刻まれた目を見た。
このライトブルーの瞳はアキラに受け継がれている。
「うん、パパ……私なんとかやってみる。きっと泣いている暇なんて無いわね!」
アキラは目に涙を光らせながら笑顔を作った。
その表情を見た両親は、安心したように頬を緩めたのだった。
*****
翌朝になると、アキラはケロッとした表情で両親に手を振っていた。
マーマレードジャムのパンを口に、颯爽とエアバイクにまたがると、アース警察本部を目指して元気に飛びたってゆく。
両親は大切な娘が見えなくなった後も、寄り添いながら
ずっとずっと遠い青空を見つめていた――。
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