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お姫様は、敬礼するアース警察の列に沿って優雅に歩いていった。
やがてアースSPの宇宙船に近づくと、タラップにソウゲツ大佐が姿を現した。
金色の飾緒を輝かせた白いキャプテンジャケットに、船長帽という正装である。
ソウゲツ大佐は、眩しそうに見上げるお姫様と目が合うと、凛々しい口元を緩めた。
恭しく礼をすると流れるように少女の手を取り、
あろうことか……
「ようこそ」
キスをしたのだ!
突然の予期せぬ出来事に、一同は「あっ」と目を剥いた。
しかしその場面の美しさに誰一人文句を言える者はおらず、その一瞬の出来事はすぐに皆の心の中にしまわれたのだった……。
大佐はタラップを登るお姫様に手を貸すと、何事もなかったかのように宇宙船の中へと招き入れた。
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