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「ど、どういたしまして。あの、お身体は?」
「お身体? まあちょっと痛いけど、このくらいどうってことないよ」
姫がニコッと笑顔で伸びをしてみせてくれたので、アキラはいくらか安心した。
「えっと......お食事はどうされますか? もう召し上がりますか?」
「お腹すいた。もう食べたい」
「ではすぐにお持ちします」
「待って、持ってこなくていいよ。着替えて用意したら下に行くから!」
ご足労頂くのはしのびないとアキラが口を開いた時にはすでに遅く、姫はせっせとネグリジェを脱ぎはじめていたのだった。
アキラは「キャッ」と赤面すると、逃げるように廊下へ出て行った。
出て行ったはいいのだが……。
「……え……?」
アキラの頭の中には言いようのない違和感が広がっていた――。
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