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とりあえずタキヤに事情を説明すると、食堂の椅子に腰かけて待つことにした。
ほどなくして「おはよう」という軽やかな鈴の声とともに、身支度を整えたリーネ姫が軽快な足取りでやってくる。
「おはようございます! リーネ姫」
ジェイドが敬礼すると、それに応えるように少女はサッと片手を上げた。
「おはようジェイド、夕べはよく眠れたかい?」
「は、はあ? まあ、爆睡ですね」
「僕も! でも今朝はアキラに恥ずかしい所を見られちゃったな」
「と、とんでもないです!!」
やがてタキヤが彩りの良い野菜とベーコンのスープに小さなパンのバスケット、メロン、イチゴといった色とりどりのフルーツを並べると、たちまちテーブルが華やいだ。
「おはようございますリーネ姫。タキヤが腕によりをかけました。さあ召し上がれ」
「わあ、おいしそう。僕、朝は毎日フルーツを食べるんだ。よく知ってたね、タキヤ」
タキヤはホッホと笑みをこぼして礼をする。
リーネ姫は手を合わせると早速スプーンを握った。
美味しそうに食べるその作法は品があり、美しい。
……その様子を横目で見つつ、アキラとジェイドはこっそりと内緒話をはじめた。
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