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「あの時、ようこの親父に責任取ってようこと結婚するって言ったんだよな。でもちゃっかり“30歳になっても独身だったら”とか泣きながら付け加えてた」
「それ覚えてる。怒られてたから黙ってたけど、心の中で30かよ! って突っ込んだもん。全くさあ、子供って意外と現実的だよね」
すっごくドキドキしたって、納戸に隠したままになってた日記に書いてあった。今より汚い字で楽しそうに綴られていた。
「覚えてんじゃん。約束」
「……まあもう、関係ないけどね」
けんちゃんが煙草を吸い終わった。私にコンビニの袋を差し出す。
「ありがと」
中から少しだけ温くなったココアを取った。
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