同窓会

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 成美は小さなバルコニーに出て、缶ビールを一気に飲み干した。快晴。この天気で三五〇ミリリットルの缶では飲むのに容易い。冷えたビールが、慣れない暑さに苦しんでいる成美の体にしみわたるのが分かる。正直ビールはそれほど好きと言う訳ではないが、ここで飲むビールはおいしい。初めてビールをおいしいと思えたかもしれない。  成美が沖縄へ来た理由は、小田可純(カスミ)の結婚式である。小田は、成美と同じ高校で元野球部のエースで主将。卒業してからもたびたび付き合いがあったため、結婚式の招待状が送られてきた。そこまで仲が良かったのかと聞かれると、お互いに口をつぐむかもしれない。よほど招待する相手がいなかったのか、それともキャンセルが続いて仕方なく招待したのか、聞くにも聞くことができなかった。特に断る理由も持ち合わせていなかったため、一応参加とした。それに旅費は全て小田夫婦が持ってくれるというので、お言葉に甘えたのである。  招待状には、夫婦の写真が同封されていた。高校時代、坊主で野球に励んだ小田の面影は全くなかった。奥さんは可もなく不可もなくという微妙な線だった。いい奥さんになることは間違いがないようだが、それ以外にコメントが浮かんでこなかった。  他に誰が来ているのだろうか。自分以外で来る人を、成美は把握していない。野球部だった人は何人か来ることは想像できるが、関わりがほとんどない。ましてその集団と同じテーブルにされるとキツイ。女性陣は何人きているのだろうか。奥さんに気を使って多くは呼んでいないだろう。それでも、一つのテーブルが埋まるくらいいてくれると助かるのだが。
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