背中合わせの話

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振り返ってみるとそこには………… 「やっぱお前か………よくもまあ、毎日毎日飽きずに続けるなあコオニ」 「えへへ~。驚いた?ねえ、驚いた?」 気持ちよく窓の外は晴れ、きっと、散歩でもすれば楽しいんだろうなーとか想像がつく朝。 楽しそうにニコニコ笑う、よく日に焼けたチビ女が楽しそうにしていた。 ちなみに。金髪の巻き毛から、ザーネン種のヤギのような鋭い角が見えているのは、見間違いではない。こいつの頭に直接生えている。 こちらが対して驚いていないのは、見てわかるだろうが!!と、言うのはさておき。こいつはこっちが驚いていないことにしょげているだけなのでほったらかしておく。 楽しそうなのに、しょげてるとなぜわかるのかって?こいつは、楽しそうにしているときは本当は悲しんでいて、怒っているときは喜んでいる。こいつが、というかこいつの種族が全体的に訳の分からない性格をしている。もっとも、そう言った点を知っていれば、基本的に嘘の吐けない悲しい種族、とも言われているが。 ちなみに、普通の反対は異常というわけではなく、普通に真顔は真顔。そこは心臓(こちらの)に優しい安心仕様だ。 「おまえ、面白いか?こんなこと毎日続けて」 「面白い!」 つまり、面白くない。 「だって、イノークが楽しそうにしてるから、楽しくない!」 つまり、俺が悲しそうにしてないからたのしい????? ………………………なにがなんだか。 しっかし、今日のこいつは、やけにテンションが高い。何かあったのか? いつものように。最初の『挨拶』以降は背中合わせに話し、もうすぐ、消灯時間になるからこいつは消える。こいつは、俺が起きている時間しか、出てこられないから。 「イノーク、今日はつまらなかった。だから…………」 「もう、二度とこない、か?」 いつもなら。だから、ではなくこいつは、でも、と言って俺の言った言葉をそこに続ける。 けど、今日は、それだけじゃない。なかなか、次の言葉を言おうとしない。
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