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目覚めた俺が目にしたのは金髪で海と同じ色の綺麗な瞳の外人さん。
「…………誰?」
と呟いたけどそもそも外人さんに日本語は通じるのか…いや、無理じゃないか。なんて一人で脳内で喋ってみる。英語?フランス語?ドイツ語?
「お前は何者だ。なぜここに居る」
あ、通じてた。良かったー。なんて思ったけど金髪さんの顔は険しい。
「すいません。俺は佐藤篤人と言います。質問なんですがここは日本ですか??」
「……サトウアツトか。ここはガーランド王国だ。ニホンなんて国ではない」
「あ、やっぱりかー。異世界なんですね、ここ」
不審な目で見てくる金髪さん。
「すいません。俺は気付いたらここに居て。日本と言う国から来たみたいです?」
「何故疑問系なんだ」
「俺も理解できてなくて」
「そうか。おい、お前さっきニホンと言ったか?」
「はい」
「…あのサルもニホンだかニッポンだか言っていた様な気がするな」
金髪さんは一人でブツブツ呟き始めたので俺は立って制服に付いている砂を落とした。
金髪さんは俺と身長は同じ位だろうか、ちょっと金髪さんの方が大きいな。ヒョロイ俺より筋肉あるししっかりしている。俺も鍛えよう。
「あ、あの金髪さん」
「あぁ!?」
「すいません。あの金髪さん、一緒に俺を島から連れてってくれませんか?」
「別に構わないが…俺は金髪さんじゃない。マサムネ・ガーランドだ」
「マサムネさんですね。ありがとうございます、マサムネさん」
マサムネさんに礼を言う。
やっとこれでひとつ先に進める。
「おい」
そう言ってマサムネさんが何かを投げて寄越した。昨日食べた果物だ。リンゴっぽい形のリンゴっぽい味の果物、それと梨っぽいもの。
「ありがとうございます、頂きます」
「それ食って昼寝したら帰るから」
「あ、はい」
食べたら寝て帰るらしい。とりあえず食べたら邪魔にならないように静かにしていよう。
ばあちゃん、何とかまだ生きれるみたいです。
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