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ーーーバリバリッ!
ーーーズドーン!!!
すぐ近くで地響きがした。恐らく敵将の攻撃によって防壁が崩壊したのだろう。同時に、幾人分もの足音が聴こえる。この様子では、城の周りにいた衛兵はみな討ち取られたに違いない。
ーーードタドタドタ………
足音が近づいてくる。『私』は、歯を食い縛り、手にした刀を握りしめた。
『ぐわぁあああ!!!』
薄壁1枚隔てた隣の部屋で叫び声が上がる。遂に王の守りは『私達』だけになってしまった。
援軍は望めない。反対側の城壁は、今でも敵からの猛攻に耐え続けているだろう。
ーーーそもそも、挟み撃ちにされてしまった時点で、こちらの負けは決定的になってしまっていたのだ。
ーーーバコン!!!
壁が蹴破られる。
その向こうに見えるはおびただしい数の敵兵。
みな一様に、見下すような薄ら笑いを浮かべ、のっしのっしと歩いてくる。
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