第0話 傾国の将

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ーーーバリバリッ!  ーーーズドーン!!! すぐ近くで地響きがした。恐らく敵将の攻撃によって防壁が崩壊したのだろう。同時に、幾人分もの足音が聴こえる。この様子では、城の周りにいた衛兵はみな討ち取られたに違いない。 ーーードタドタドタ……… 足音が近づいてくる。『私』は、歯を食い縛り、手にした刀を握りしめた。 『ぐわぁあああ!!!』 薄壁1枚隔てた隣の部屋で叫び声が上がる。遂に王の守りは『私達』だけになってしまった。 援軍は望めない。反対側の城壁は、今でも敵からの猛攻に耐え続けているだろう。 ーーーそもそも、挟み撃ちにされてしまった時点で、こちらの負けは決定的になってしまっていたのだ。 ーーーバコン!!! 壁が蹴破られる。 その向こうに見えるはおびただしい数の敵兵。 みな一様に、見下すような薄ら笑いを浮かべ、のっしのっしと歩いてくる。
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