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「剣と魔法の世界に行きたいです!!是非お願いします」
「あはは。ここに来て初めて興奮してるね。その世界で決まりかな。普段なら世界の均衡が崩れてしまうから能力は贈ったりしないんだけどね。君には是非とももらって欲しい。能力は・・・何がいいかな?」
何がいいかな?とか言われても何にも思いつかない。剣と魔法の世界といったらギルドだから全く闘えないのも困る。もふもふできないのも困る。
目の前で傷ついている人がいたら助けたいと思ってしまう。
見たことのない世界がどれだけの危険があるのかも予想できない。
うーん。と悩んでいるとそれを見ていた神が提案してくれた。
「まずは、世界の知識だね。普通なら自我を形成するうちに世界に馴染むものだけど、君は元々地球に生まれた。言葉や文字を習得するには、自我を持つ君はあまりにも困難だからね。君の性格だと治癒の属性は必須かな。あとは便利な空間属性を贈ろう。君の魂が持つ魔力、属性、能力は君が努力するたびに開花する」
魂が持つ?魂が魔力を持ってたら地球でも魔法は使えたのか?霊視とか超能力の類だろうか。そんなのは一切無かった。
「生まれてこのかた、魔力や能力を持ってると感じたためしがありません。俺にも何か備わっているのでしょうか」
すると神様は俺の額に手を翳し、どこか楽しそうで、なにかを思案するように頷いた。これは・・・とつぶやいた気がする。
「人は輪廻の輪に加わり浄化されていくと新たな世界へと廻る。それを繰り返すことによって魂には様々な物が刻まれていく。」
俺が自分の素質に不安に思ったの感じ取ったのか魂について説明してくれた。
「霊視や超能力の類は魂に備わる魔力を変換し使っている。君は武道に長けていたね。君が使う覇気などもそれと変わらない。魔法が無い世界でそれができる君にも魔法の素質が充分にある。まあ、向こうに行けば魔力を使わずとも覇気は容易いだろう。世界にはそれぞれ向き不向きがあるからね」
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