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忽那が笑って誤魔化した時点で、周囲にざわめきが戻っていた。
「薬師神、土曜日は森のくまに行くから、絶対に待っていろよ」
待っているわけがない。
俺は、さっさと墓参りに行く。
琥王は、牛乳を飲み終わると、今度は俺のコーヒーを飲む。
その当たり前のような行動に、女子がキャーキャー騒いでいた。
確かに、琥王は見た目が絵になる。
少女マンガは読んだ事はないが、
琥王は登場人物のようなイメージであった。
「琥王、教室に帰れ。授業が始まる」
琥王が、同じクラスではなくて良かったと思う。
俺は、近くに人が多いというのに慣れていない。
次の土曜日、
森のくまで働いていると、早朝から琥王が来ていた。
時計を見ると六時であった。
何も、ここまで早朝に来て、待っていることはないかと思う。
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