第一章 命か金

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 だから、一人で行きたかったというのもある。 「一弘君、もういいよ。 琥王君も待っているから、墓参りに行って」  琥王は勝手に待っているのだからと言っても、 芽実に店を追い出されてしまった。 「……行ってきます」  墓までは、電車で行く。 駅に行くと、溜息が出た。 「琥王、そこ募金」 「はい、はい」  琥王は、自身の厄除け?の為にあちこちで、募金、賽銭をする。 自らの大切なもの、金?を分けることで、 自身の厄を置いているのだ。 決して、善行ゆえの行動ではない。 「どうして墓参りなんて、ついてくる?」  いつもとは逆方向の電車を待つ。
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