第一章 命か金

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「降りるよ」  駅に降り立つと、屋根もないホームには青空が広がっていた。 改札は、かろうじて自動化されている。 「ここから、三十分くらい歩き」  駅舎を出ると、駅前には数台のタクシーが停まっていた。 他に、ポストが一つあり、その後ろに小さな商店がある。 商店前の自動販売機で、水を購入すると琥王に渡す。 「神憑きか……俺は薬師神で、薬関係の神憑きに近い。 植物や生命力みたいなものかな、そこで、だ」  水のボトルを軽く握る。 水は、海水に近いもののほうが、やり易い。 ボトルは体の一部だと思い込む。 「ほら、飲んでみて」  俺は、ボトルを琥王に渡す。
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