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「降りるよ」
駅に降り立つと、屋根もないホームには青空が広がっていた。
改札は、かろうじて自動化されている。
「ここから、三十分くらい歩き」
駅舎を出ると、駅前には数台のタクシーが停まっていた。
他に、ポストが一つあり、その後ろに小さな商店がある。
商店前の自動販売機で、水を購入すると琥王に渡す。
「神憑きか……俺は薬師神で、薬関係の神憑きに近い。
植物や生命力みたいなものかな、そこで、だ」
水のボトルを軽く握る。
水は、海水に近いもののほうが、やり易い。
ボトルは体の一部だと思い込む。
「ほら、飲んでみて」
俺は、ボトルを琥王に渡す。
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