第一章 命か金

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 琥王が、水を空に透かして中身を確認していた。 もちろん、水以外はない。 「薬師神の神憑きって、こんな能力もあるのか……」 「いや、これ神憑きではなくて、薬師神の能力らしいよ」  代々神憑きであったので、 一族に定着してしまった能力であった。 これで、パンを焼いているという秘密もある。 森のくまで、俺が焼いたパンは、食べると健康になるのだ。  若葉で空が隠れそうな細い道を登り、 木造の小さな寺の裏手に薬師神の墓があった。 代々の墓で、かなり昔からここに存在していた。 葉だけになったが、桜の木の下にある。 満開の桜は、俺の祖先?が愛した花であった。
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