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琥王が、水を空に透かして中身を確認していた。
もちろん、水以外はない。
「薬師神の神憑きって、こんな能力もあるのか……」
「いや、これ神憑きではなくて、薬師神の能力らしいよ」
代々神憑きであったので、
一族に定着してしまった能力であった。
これで、パンを焼いているという秘密もある。
森のくまで、俺が焼いたパンは、食べると健康になるのだ。
若葉で空が隠れそうな細い道を登り、
木造の小さな寺の裏手に薬師神の墓があった。
代々の墓で、かなり昔からここに存在していた。
葉だけになったが、桜の木の下にある。
満開の桜は、俺の祖先?が愛した花であった。
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