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墓を後にして、再び駅に向かうと、
自分の人生について考えてしまった。
「塩冶様って、塩冶さんの母親かな?」
「そうみたいだよね」
塩冶もどこか得体が知れない。
「でも、良かった。厄病神が言っている。
薬師神は、もう自分で生きているから大丈夫だとさ」
「あ、神社。琥王、賽銭」
小さな神社で、琥王が賽銭を入れた。
「ほら、薬師神にも賽銭をやるから、また胃薬を造って。
親父に持ってゆく」
小銭を貰ってしまったので、仕方なく再び水を購入し、手に握ってみた。
駅に到着するという直前で、黒塗りの車が停まっていた。
係らないように通り過ぎようとしたが、ドアが開き、
神々廻(ししば)が中から出てきた。
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