第一章 命か金

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 神々廻は、塩冶から派遣されている、自称俺の護衛らしい。 黒塗りの車に、黒服の男。非常に目立つ。 「塩冶様からの依頼で、 一人、見て頂きたい人物がいます」  神々廻は、俺に資料を渡してきた。 資料といっても端末で、男の映像が流れていた。 「まずは、車にお乗りください」  ここで、ごねたら余計に目立つ。 俺は、目立つことなく地味に生きるのがモットーであった。 仕方なく車に乗り込むと、琥王も乗り込んできた。  端末を見ると、祈祷師のような男が信者に色々アドバイスしていた。  道場のような場所で、白装束の男が信者を集めていた。 男の年齢がよく分からないが、 四十歳前後にも見えるし、もっと年寄にも見える。 落ち着いた雰囲気で、優しい笑顔を浮かべ、信頼できる人物のように見える。
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