第一章 命か金

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「この信者には自殺者が多い」  しかも、 遺産の一部などを、この男の主催する教団に寄付していた。 余りに自殺者が多いので、塩冶が気にしているらしい。 「自殺ですよね、殺人ではない」  自分の意思ならば、介入することはない。 そもそも、俺が神憑きの能力を相手に使用してしまうと、 相手の金か命を狩ってしまう。 「コントロールされている、とか」  最近の自殺者の名簿を見ると、 最近、身近な人間を失っている場合が多かった。 確かに、心が弱っている時は、自分の意思を失い易い。 「本物か見ていただきたいのです」  神々廻が、運転席から声を掛けてきた。 本物かどうかなど、見て分かるものではない。 ましてや、何をもって本物と判断するのだろうか。
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