第一章 命か金

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 琥王が、自殺者の名簿をじっと見つめていた。 大切な人を失うということが、どんなに辛いか分からないのに、 それを商売にしているとなると、琥王は許せないのかもしれない。 「見るだけだぞ」  今日は、この信者の集いが、駅前の建物で行われていた。 駅前まで神々廻に送ってもらうと、後は歩きで建物を探した。  駅前の建物、ホール名などがなく、歩いてみても見つからない。 住所を頼りに探してみると、一般の民家の一室であった。 「どうやって混じるか」  門から中を覗くと、窓越しに人が集まっていることがわかる。 しかし、民家であるので、間違えましたで入ってゆくことはできない。
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