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駅前に近いが、少し通りを外れた木造二階建ての店。
手作りパン屋、森のくま。
レトロな看板に、店頭で安楽椅子に座り店番をする、
巨大なくまのぬいぐるみが目印の店だった。
俺は、早朝からここでバイトをしている。
今は、朝から作業していたパンが焼き上がり始め、
他の店員が走り回って陳列していた。
俺は、薬師神 一弘(やくしじん かずひろ)高校二年生。
森のくまの店主、田所 芽実(たどころ めぐみ)は、俺の叔父の恋人で、
俺を育ててくれた人でもあった。
「一弘君、もう学校に行きなさい!」
芽実は、時計を確認し、パンの入った紙袋を抱えて来る。
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