第二章 今死ねば来世で

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 この言葉で、自殺が多くなったのだろう。 それも、やはり、塩冶の信者を狙っていた。 この部屋の片隅にも、塩冶の母親の本が数冊置かれていた。  泣いていた人々が、石田を見て頷いていた。 ここで、下手に否定しても、ここに居る人の心には届かない。 「琥王、俺に賽銭を投げろ」  琥王はポケットから五円玉を一枚出すと、俺の手に握らせていた。 「琥王は、石田さんに賽銭だ」  琥王は、五百円玉を出すと、 この部屋に居た人、全員に賽銭を投げていた。 よく、この数の五百円玉を持っていたと思う。 しかし、何故、俺への賽銭は五円なのだろう。 金額で強さが異なる、俺への願いは五円なのだろうか。
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