第二章 今死ねば来世で

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 全員に厄が行ったところで、俺は立ち上がる。 「石田さん、俺は、両親にまだ会う事ができません。 何故ならば、親の命を背負っているからです」 「そうだね、子供は親が先に逝く事を承知しなくてはならない。 君はまだ早い」  周囲もそのことは納得する。 自分が死んだ時に、子供に追われてこられては、あまりに辛い。 「他に、魂に刻まれている言葉を、 もう一度見なくてはならない人間もいますよね。 最初から、残されると知っていた。そして、生き抜くと約束していた」  石田が、俺の言葉も否定しなかった。 「そうだね、この中には生き抜くと誓った人物が居るね。 それは、誓いを守らなければならない。 その誓いは、再び会うための約束であるからね」 「分かりました。 死に面して、どちらだったのか見てください」  俺は、これでこの家を出ることにした。 琥王の厄がどう出るのかは分からないが、 多分、何か突発的な事故には遭うだろう。 でも、五百円ならば、死にまでは至らない。
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