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「多分であるけど、
願いを叶えて貰ったとしてさ、それが他力であったのならば、
長く続かせることができなかったのではないの」
琥王が、近くの自動販売機でホットのコーヒーを購入してくると、
俺に渡した。
「このコーヒー、五円よりも厄ですけど」
「そうだね、ごめん」
でも、俺はコーヒーを飲んでいた。
すると、電車が遅れているとのアナウンスが流れた。
「厄だね」
被害の少ない厄ならばいい。
やっと来た電車に乗ると、
真実を確認するために、えんきり屋に向かってみた。
えんきり屋は、そこそこ繁盛していて、
桐生が俺達の姿を見つけると舌打ちしていた。
なまけ癖のある塩冶は、嬉しそうに俺達に走り寄ってくる。
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