第二章 今死ねば来世で

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「仕事の話だよね」 「そうです」  屋根裏に行くと、笑顔で塩冶がコーヒーを持ってきていた。 「石田さんですね、周囲に自殺が多い。 今死ねば来世で会える、ということですよ」 「で、それは本当?」  屋根裏で、コーヒーを飲むと、奥に隠しておいたクッキーを出す。 塩冶は、ビンに入ったクッキーに飛びつくと、何枚も抜き取っていた。 「薬師神君のクッキー、おいしい上に胃がすっきりする」  でも、そんなに食べないで欲しい。ビンが半分空になってしまった。 残りを、琥王が抱えて食べていた。 「俺は来世なんて知りません。あるのかないのかも分かりません。 だから、それが真実なのかは分かりません」  塩冶は、頷くとどこかに電話を掛けていた。 俺は琥王に渡したクッキーを諦めると、更に奥から瓶を出した。 今度は、ゴマのクッキーで全く甘くない。 甘くないものには、琥王は反応しないらしい。 これは、せんべいのようなクッキーを目指し、 その試作品であった。
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