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塩冶は電話を切ると、不思議そうに俺を見つめていた。
そこで、俺が母と娘の写真を出すと、
塩冶が何か思い出したように頷いた。
「ああ、石田さんか!」
「!!薬師神、
写真、返して無かったのか?」
琥王が、古びた写真を見て驚いていた。
確かに、返し忘れていた。
しかも、この写真、かなり使い古している。
絶えず身に着けていたものなのかもしれない。
「……写真、返すの忘れていた」
写真の思いが伝わってくる。
この写真しか、残らなかったと。
後は、家族が居たという、証拠と呼べるものは、
全て消えてしまっていた。
「で、石田さんとは、どういうご関係ですか?」
そもそも、塩冶が元凶である気がする。
この【返還の血】無機なものを、生命体に変えてしまう事がある。
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