第二章 今死ねば来世で

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 塩冶は電話を切ると、不思議そうに俺を見つめていた。 そこで、俺が母と娘の写真を出すと、 塩冶が何か思い出したように頷いた。 「ああ、石田さんか!」 「!!薬師神、 写真、返して無かったのか?」  琥王が、古びた写真を見て驚いていた。 確かに、返し忘れていた。 しかも、この写真、かなり使い古している。 絶えず身に着けていたものなのかもしれない。 「……写真、返すの忘れていた」  写真の思いが伝わってくる。 この写真しか、残らなかったと。 後は、家族が居たという、証拠と呼べるものは、 全て消えてしまっていた。 「で、石田さんとは、どういうご関係ですか?」  そもそも、塩冶が元凶である気がする。 この【返還の血】無機なものを、生命体に変えてしまう事がある。
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