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「最近は制御しているみたいよ。
昔は、制御できなかったみたいだけど」
制御できるようになったのならば、暫く見守るしかない。
「薬師神、クッキー。おいしい。
これ売り物にはしないのか?」
「それがね、俺が作るとこの味になるけど、
他の人が同じ材料で作っても、この味にはならないのさ」
薬師神の力のようなものが、
パンには出なかったのに、クッキーには出てしまったのだ。
人間にとって、薬となるクッキー。
「そうか……でも、このクッキーは使える。
また焼いてね」
琥王は、ビンを鞄に詰めていた。
「分かった、焼いておく」
俺は再び写真を見ていた。
この家族、何て哀しい目をしているのだろうか。
この写真の母と娘は、自分の存在に気が付いていたのかもしれない。
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