第二章 今死ねば来世で

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「薬師神の笑顔を封じたのは、その威力が大きいからだよ。 でも、俺も神憑きだから、受け止められる」  キスだというのに、体の芯が溶けてしまいそうであった。 ふわふわとしていて、目を開けていられない。 手を離されると、必死で琥王にしがみ付いていた。 「俺だけに笑って……薬師神」  俺は笑うつもりなんて無かった。 目を開けると、琥王の太陽のような笑顔があって、 少しつられて口元が動いた。 「あ……すげえ、元気出た」  琥王が、俺の頬に手を当てていた。 「ええと、橋場さん。探す理由は何?」  琥王は満面の笑顔で、 その笑顔を見ていると、俺も元気が出た。
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