第二章 今死ねば来世で

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「今、何時だ?」  まだ森のくまの仕込みにまで時間がある。 「よし、石田さんの所に行ってみる」  そういえば、琥王の厄のせいで、車に突っ込まれていたが、 無事であっただろうか。 「場所、分かるのかな?」  石田を遠視で見ているが、そう遠くには行っていない。 「病院にいました。近いので、行ってみます」  俺は、えんきり屋を飛び出していた。  救急車が搬送された市民病院は、隣の駅の近くにあった。 俺が病院に入ってみると、待合室に石田は座っていた。  俯いた石田は、酷く疲れているようで、何だか小さく見えた。 その周囲には、一緒に話を聞いていた女性の姿も見えた。 石田は怪我をしたのか、腕に包帯を巻いていた。
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